こんにちは、カナダの高齢者ケアホームで介護士(Resident Assistant)として働いているTofu【@eigodekaigo】です。
「移乗や歩行の介助が大変…」「転倒を防ぎたいけど、どうすればいい?」
そんな悩みを抱えている家族介護者の方へ。筆者はカナダの高齢者施設で介護士として働いています。職場で日常的に活用している介護ベルトは、家族介護の場面でもとても役立つアイテムです。これをうまく活用すれば、介護者の負担を減らしながら、安全に移乗や歩行のサポートができます。
しかし、「どの介護ベルトを選べばいいの?」「正しく使うにはどうすればいい?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、介護ベルトの基礎知識、正しい使い方、注意点まで詳しく解説します。これを読むことで、介護の負担を軽減し、家族を安全に支えるための知識が身につきます。ぜひ最後までご覧ください。

介護ベルトは、英語で"Transfer Belt" や "Gait Belt"と言います!

介護ベルトの基本知識と選び方
介護ベルトとは何か?
介護ベルトは、高齢者の移動や姿勢のサポートをするための補助具です。主に、移乗や歩行時に介護者の負担を軽減し、被介護者の安全を確保する目的で使用されます。特に、転倒のリスクが高い高齢者の介護において、重要な役割を果たしています。
カナダの高齢者施設では日常的に使われており、家族介護者の方にもぜひ取り入れてほしいアイテムです。実際に使ってみると、抱え上げる負担が減り、腰痛予防にもつながります。また、介護される側も安定して移動できるので、恐怖心が軽減されることが多いです。
介護ベルトの選び方のポイント
介護ベルトを選ぶ際には、まず使用目的を明確にすることが大切です。介護ベルトには、移乗をサポートするもの、歩行を補助するもの、入浴時に使用できるものなど、さまざまな種類があります。例えば、ベッドや車いすからの移乗をサポートするためには、移乗補助ベルトが適しています。一方で、歩行の安定性を高めたい場合は、歩行補助ベルトを選ぶとよいでしょう。入浴時の使用を想定している場合は、水に強い素材で作られた防水タイプの介護ベルトが適しています。
次に、サイズやフィット感も重要な要素です。被介護者の体格に合ったベルトを選ぶことで、快適に使用できるだけでなく、安全性も高まります。介護者が使用する際にも、しっかりとホールドできるデザインであることが求められます。サイズ調整が可能なタイプであれば、異なる体格の方にも対応しやすくなります。
また、素材と耐久性も確認しておきたいポイントです。介護ベルトは頻繁に使用するため、長期間の使用に耐えうる丈夫な素材であることが求められます。ナイロンやポリエステルなどの強度のある素材で作られたものは、摩耗しにくく、長持ちしやすいです。さらに、通気性の良い素材を選ぶと、長時間の使用でも蒸れにくく快適に使えます。
最後に、着脱のしやすさを考慮することも重要です。介護者がスムーズに装着できるものを選ぶことで、介助の負担が軽減されます。バックルやマジックテープで簡単に留められるタイプのものは、急な場面でも迅速に対応できるため便利です。逆に、複雑なデザインや装着に時間がかかるものは、使用時のストレスにつながる可能性があります。

介護ベルトの使い方とコツ
介護ベルトの基本的な装着方法
介護ベルトを正しく装着することは、安全な介護を行うための基本です。介護ベルトは被介護者の腰や胴体にしっかりと巻き付け、適切な位置で固定することで、介護者のサポートがしやすくなります。装着する際は、被介護者の体に無理な圧迫がかからず、しっかりと支えられるように調整することが重要です。
まず、被介護者の腰や腹部に介護ベルトを回し、バックルやマジックテープでしっかりと固定します。このとき、ベルトがきつすぎると被介護者が苦しく感じたり、血流が悪くなったりするため、適度な締め具合を保つことが大切です。逆に、緩すぎると支えの役割を果たさず、移動時にベルトがずれてしまう可能性があります。
また、介護ベルトには取っ手が付いているタイプが多いため、介護者がしっかりと持てる位置に取っ手を調整することもポイントです。ベルトが適切に固定されていれば、移乗や歩行補助の際に介護者が安定したサポートを行いやすくなり、被介護者も安心して動けます。
装着時には、被介護者に事前に声をかけて、身体の状態や不快感がないか確認しましょう。無理に装着すると、被介護者の恐怖心を煽ってしまうことがあるため、優しく丁寧に装着することが重要です。適切な装着を行うことで、転倒のリスクを軽減し、より安全な介護が可能となります。

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抱き上げ・移乗の際の使い方
介護ベルトは、被介護者を抱き上げたり、ベッドや車いすへの移乗をサポートする際に非常に役立ちます。特に、立ち上がるのが難しい方や、体を支える力が弱い方の移乗には欠かせないアイテムです。
移乗の際には、まず被介護者の腰にしっかりと介護ベルトを装着します。そして、介護者は取っ手をしっかりと握り、膝を軽く曲げて腰を落とし、体全体を使って支えながら移動をサポートします。このとき、腕の力だけで持ち上げようとすると、介護者の腰に大きな負担がかかるため、膝と腰をうまく使って体の力を分散させることが重要です。
また、被介護者の動きをできる限り尊重し、自力で立ち上がる力がある場合は、介護者は最小限のサポートにとどめるのが理想です。無理に持ち上げようとすると、被介護者がバランスを崩してしまうことがあるため、声をかけながらタイミングを合わせ、ゆっくりと移動を行うようにしましょう。
移乗時には、周囲の環境にも気を配ることが大切です。床が滑りやすい場合は、しっかりとした靴を履かせたり、カーペットやマットを敷いたりして、転倒リスクを減らす工夫をしましょう。また、介護者自身も滑りにくい靴を履くことで、安全にサポートできます。

適切な持ち方や姿勢を意識しながら移乗を行うことで、被介護者と介護者の双方にとって安全で負担の少ない介護が可能になります。

すべての被介護者が歩行ベルトの使用に適しているわけではありません。被介護者の体重が重い場合や、最近背中や腹部の手術を受けた場合は、推奨されないことがよくあります。
入浴時の介助におけるベルトの利用
入浴介助は、被介護者の転倒リスクが最も高くなる場面の一つです。浴室の床は濡れて滑りやすく、体を支える手すりや設備がないと、バランスを崩してしまうことがよくあります。こうした状況で介護ベルトを活用することで、安全に入浴をサポートできます。
入浴時に使用する介護ベルトは、防水性のある素材で作られているものを選ぶことが重要です。通常の布製のベルトでは、水を吸収して重くなったり、乾きにくくなったりするため、速乾性のあるナイロンや防水加工が施された素材が適しています。
介護ベルトを装着する際には、被介護者が滑らないように注意しながら、しっかりと腰に巻きつけます。浴室内では座った状態から立ち上がる動作が難しくなるため、ベルトの取っ手を利用して、安定した姿勢を保てるようにしましょう。
また、入浴中は温度変化により体調を崩しやすい方もいるため、無理に急がず、ゆっくりとしたペースで介助することが大切です。特に高齢者は湯船に入る際や出る際にめまいを起こすことがあるため、しっかりと支えて転倒を防ぎます。

介護ベルトのデメリットと注意点
介護ベルトの使い方での間違い
介護ベルトを使用する際、適切な装着ができていないと被介護者の安全が損なわれることがあります。特に、ベルトが緩すぎたり締めすぎたりすると、不安定になり転倒のリスクが高まります。緩いと移動時にずれたり、しっかり支えられなかったりするため、被介護者が怖がることもあります。一方で、締めすぎると圧迫感を与え、血流が悪くなることや痛みを引き起こす可能性もあります。介護ベルトは、被介護者の体型や動作に合わせ、適度なフィット感を保つことが大切です。
また、介護者が正しい持ち方をしていないと、介助時に腰に過度な負担がかかることがあります。例えば、腕の力だけで支えようとすると、介護者の背中や腰に余計な負担がかかり、長期間の使用で腰痛を引き起こす可能性が高まります。適切な使い方としては、膝を軽く曲げ、腰を落としながら被介護者を支えることです。また、腕だけで持つのではなく、体全体の力を使ってゆっくりと移動をサポートすることが重要です。ベルトの取っ手の位置を確認し、力の入りやすい持ち方を工夫することで、介護者の負担も軽減できます。
腰痛を引き起こす可能性
介護者が誤った姿勢や無理な力のかけ方をすると、腰に大きな負担がかかり、慢性的な腰痛の原因になります。特に、介護ベルトを使用する際に前かがみの姿勢で作業を続けると、腰に過剰な圧力がかかり、疲労が蓄積されやすくなります。介護者が腰を痛めると、その後の介護にも影響を及ぼし、十分なサポートができなくなる可能性があります。
腰痛を防ぐためには、介助時の姿勢を意識することが大切です。膝をしっかり曲げて腰を落とし、背筋を伸ばしながら介助することで、腰にかかる負担を軽減できます。また、介護ベルトの適切な持ち方を学び、力を分散させる工夫をすることが大切です。日常的にストレッチや軽い筋力トレーニングを取り入れ、腰回りの筋肉を鍛えることも、介護中の負担を和らげるのに役立ちます。

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介護ベルトの手入れ方法
介護ベルトを長く安全に使用するためには、定期的な手入れが欠かせません。汚れや劣化を防ぎ、衛生的に保つための基本的なメンテナンス方法を紹介します。
定期的な清掃
介護ベルトは使用頻度が高く、汗や皮脂、食べこぼしなどで汚れやすいため、週に1~2回は清掃するのが理想的です。
布製(ナイロン、ポリエステルなど)
洗濯可能な場合:メーカーの指示に従い、洗濯ネットに入れて弱水流で洗う。洗剤は肌に優しいものを使用し、漂白剤は避ける。
手洗いの場合:ぬるま湯に中性洗剤を入れ、軽くもみ洗いした後、十分にすすぎ、陰干しする。
防水加工・ビニール製
固く絞った布で拭き取り、アルコール除菌シートを使うと清潔を保てる。水洗い可能なものは、ぬるま湯で軽く洗い流した後、しっかり乾燥させる。
乾燥方法
濡れたままの状態が続くと、カビや臭いの原因になるため、しっかりと乾燥させることが重要です。乾燥させる際は、ナイロンやポリエステル素材の介護ベルトは紫外線に弱く劣化しやすいため、直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干しするのが理想的です。また、乾燥機を使用すると高温によって素材が傷む可能性があるため、使用は避けたほうがよいでしょう。吊るして乾燥させることで、形を保ちながら効率よく乾かすことができます。
定期的な点検と交換
長期間使用していると、介護ベルトの摩耗やほつれ、バックルの破損が発生することがあります。そのため、月に1回程度は点検を行い、安全に使用できる状態を保つことが大切です。
まず、ベルトの縫い目やほつれがないかを確認し、ほつれが進行している場合は早めに補修や交換を検討しましょう。バックルやマジックテープもしっかり固定できるかをチェックし、緩みや劣化が見られる場合は新しいものに交換する必要があります。また、素材が硬くなっていないかも確認し、劣化によって体にフィットしづらくなっている場合は、安全性を考慮して新しいベルトへの交換を検討するのがよいでしょう。
保管方法
介護ベルトを保管する際は、湿気の多い場所を避け、風通しの良い場所に収納することが大切です。保管時には、バックル部分が折れ曲がらないようにたたむことで、劣化を防ぎ、長く使用できます。
また、専用の収納ケースや壁掛けフックを活用すると、清潔な状態を維持しやすく、必要なときにすぐ取り出せるため便利です。適切な手入れと管理を続けることで、介護ベルトの耐久性を保ち、安全に使用し続けることができます。家庭介護では日々のメンテナンスが重要なため、こまめに点検し、清潔な状態を維持することを習慣化しましょう。

まとめ
介護ベルトは、高齢者の移動を助け、介護者の負担を軽減する重要なアイテムです。適切な種類を選び、正しい使い方を理解することで、安全で快適な介護が可能になります。
特に家族介護者の方は、腰痛などの負担が大きくなりがちですが、介護ベルトを活用することで、より楽に安全に介助できるようになります。この記事を参考に、ご自身やご家族に合った介護ベルトを選んでみてください。

筆者の職場で使用する介護ベルトは個人専用ではないため、小柄な女性にはサイズが大きすぎることがあります。実際に、装着後にベルトが腰から胸の位置までずり上がってしまい、ヒヤッとした経験もありました。
こうしたトラブルを防ぐためにも、使用前に必ず被介護者の体型に合っているかを確認し、適切に調整することが大切です。
