広告 カナダで生活

大丈夫?大切な家族と財産を守る準備 : カナダでの遺言書(Will)作成

2023-07-07

当ページのリンクには広告が含まれています

 こんにちは、カナダの高齢者ケアホームで介護士(Resident Assistant)として働いているTofu【@eigodekaigo】です。

 カナダで遺言書(Will)を作成することは、亡くなった後に残される財産や遺産を分配し、大切な家族や愛する人々を守るためにとても重要なことです。

遺言書(Will)を作るほどの財産なんてないから必要ないんじゃない?

A子さん
Tofu

遺言書(Will)は、あなたが亡くなった後、あなたの財産だけじゃなく、残された大切な家族や人々を守るためにあるものなので、この機会に考えてみてはいかがでしょうか?

 この記事では、筆者がカナダで遺言書を作成した経験をもとに、遺言書を作るメリットとそのプロセスを紹介しています。遺言書を作成することで、亡くなった後の不安を軽減し、家族に安心を提供することができます。

 ただし、この情報は一般的なもので法的な助言ではありません。正確な情報と専門的なアドバイスを得るために、弁護士や公証人と相談することが推奨されます。

カナダの遺言書の重要性

 

 カナダで遺言書を作成することは、特に子供がいる家庭にとって非常に重要です。遺言書により、亡くなった後に子供たちがどのように財産を受け継ぐかを明確に指示できます。例えば、未成年の子供がいる場合、遺言書で後見人を指名することが可能で、これにより子供たちの将来がより安心で保護されたものになります。遺言書がなければ、財産の分配は自動的に法的基準に従い、故人の意向と異なる可能性が高まります。適切な法的アドバイスを受けて遺言書を作成することは、家族全員の利益となります。

遺言書(Will)で主な可能なこと

  • あなたの愛する人、子供たち、孫たちを守り養う
  • あなたの家と財産を誰が取得するかを決める
  • あなたの私物(宝石、車、お金など)を誰が受け取るべきかを明確にできる
  • 誰があなたの子供と扶養家族の世話をするかについての指示を残せる
  • 終活セレモニー(葬儀)の指示ができる
  • あなたの財産を管理する人の名前を残せる

画像引用元 : Govermment of Canada

遺言書(Will)と遺書の違い

 遺言書(Will)遺書の違いは主にその目的と法的な効力にあります。遺言書は法的に有効な文書で、個人が亡くなった後の財産分配や遺産の管理を定めます。一方で、遺書は個人が感情的なメッセージや家族への最後の言葉を記録したもので、法的な効力はありません。遺言書は遺産執行者の指名や特定の財産の分配指示に使われ、正式な手続きが必要ですが、遺書は主に個人的な意向や願いを伝えるために使われます。

遺言書(Will)がないまま死亡した場合はどうなりますか?

 多くの人が遺言を残さず亡くなっていますが、その人の財産は「無遺言(intestate)」とみなされ、各州や地域の法律に基づいて遺産が分配されます。財産の分配は通常、配偶者、子供、その他の近親者に法定された割合で行われます。遺言書がないことで、故人の意向とは異なる方法で財産が分配されることがあり、遺族間での争いが発生する可能性もあります。そのため、自分の意志に基づいた財産管理を望む場合は、遺言書を作成しておくことが推奨されます。

遺言書(Will)で争いを避けるために

日頃から、ご家族や親戚とオープンに話し合っておいたり、亡くなった後の希望を伝えておくのがよいと思います。慈善団体に寄付をすることを考えている人は、その旨も伝えておく機会にもなります。

 遺言書は明瞭かつ具体的に書かれるべきです。誤解の余地を残さないよう、すべての指示は明確に記述します。

 弁護士や遺産専門のアドバイザーと協力して、法的な正確さと完全性を保証します。

 生前に家族に遺言の内容を説明し、意向を共有することで、理解と受け入れが進みます。

 生活状況の変化に応じて遺言書を定期的に見直し更新することで、現在の意志が反映されます。

 資産を信託に移すことで、より具体的な管理指示と分配計画を設定し、争いを未然に防ぐことができます。

Tofu

筆者の施設の入居者が亡くなった時も、遺言書がなかったばかりに家族同士が揉め、故人と家族が別れの挨拶もできないケースもありました。

カナダで遺言書(Will)を作成

カナダで遺言書(Will)を作成する際には、法的なアドバイスを受けることを推奨します。カナダの(お住いの州の)法律事務所や弁護士に相談をすることで、後々の金銭をめぐってのトラブル回避にも繋がります。

遺言書(Will)の作成は、弁護士だけでなく、公証人やセルフヘルプ遺言状作成キットも利用可能ですが、作成できる遺言状の種類には制約もあるので、未成年の子供がいる場合の後見人の選任方法なども含め、あなたの希望する遺言書(Will)の事柄に記載漏れや間違いがないように、是非専門家と確認を!

カナダのブリティッシュ・コロンビア州では、有効な遺言書(Will)は書面で作成し、遺言書(Will)を作成した人は、2人以上の証人立ち合いの下で文末に署名します。また証人は法的な要件を満たす必要があります。

19歳未満の子供の後見人

19歳未満の子供の後見人は、子供の親権を持つ親が生存していない場合、遺言状に子供たちの後見人の選任が必要になります。後見人として頼む際に、重要な責任を担ってくれるかどうか、必ず確認が必要になります。

遺言書(Will)のための情報収集と整理

  • 近親者全員のフルネームと連絡先情報、あなたとの関係、継子を含むすべての子供たちの年齢が記載されたリスト
  • ギフトを贈りたい人や組織の名前と住所
  • 資産をどのように所有するかについての説明 (たとえば、単独で、または他の人と)
  • 所有する不動産の所有権に誰の名前が記載されているかを示す書類
  • 所有する保険契約の詳細、特に保険契約の受取人
  • 年金、退職貯蓄プランなど所有する銀行口座の情報
  • 運営しているビジネスがあれば、その情報 (会社やパートナーシップなど)
  • 養育費の支払いを要求する別居合意や裁判所命令、または未成年の子供の後見に関する情報
  • 遺言執行者(Executor)および後見人(Guardian)の名前、住所、職業

遺言執行者(Executor)を選出

遺言執行者(Executor)は、遺言書に基づいて財産を処理し、分配を行なう役割を担います。遺言執行者(Executor)は、とても責任のある役割を担うので、たいていの人は信頼おける配偶者、成人に達している子供、親、後見人、親友を選びます。遺言執行者(Executor)の役割は非常に大変であり、時間とストレスもかかる場合もあるので、弁護士や、信託会社の専門家などを選ぶ人も多いようです。その際は、定額制なのか時間給制なのかなど、確認しておきましょう!

遺言書(Will)の作成

間違いを避けるために専門家の助言を受けながら情報を整理し、遺言書(Will)作成していきましょう!意志が明確になるように、使用する言葉は慎重に選択してください。

遺言書(Will)の内容は、下記のようなものもありました。

メモ

  • 私たち2人が同時に事故などで死亡した場合の、子供の養育(日本から家族が来るまで、子供が身の寄せる場所)
  • 私たち2人が同時に死亡した場合の、遺産管理責任者
  • 世話をする必要のあるペットを飼っていますか?
  • 延命処置や葬式、お墓のこと

遺言書の(Will)への署名

完成された遺言書を、全て読み返し、意思確認をして、署名をすれば遺言書(Will)の完成です。

【筆者の遺言書作成タイムライン】※最初の弁護士とのコンタクトから完成まで4週間くらいでした

  • 遺言書を作成してくれる弁護士を探す
  • 無料カウンセリングを受ける
  • 遺言書に必要な情報を収集し、フォームに記入
  • 2回目の弁護士と面会
  • 3回目の面会で、完成された遺言書を一緒に目を通し、弁護士の目の前で署名し完成させる

カナダで遺言書(Will)作成の値段

さて、みなさんが気になるであろう遺言書(Will)作成(夫婦2人分)の値段ですが、シンプルな遺言書(Will)で一般的に250ドルから600ドル。複雑な遺言書(Will)で750ドルから2500ドルくらいの費用がかかるとされています。

筆者が2017年の作成時の値段をシェアしておきます。当時、数人の弁護士に問い合わせた時も値段の相違はありましたので、みなさんも色々調べて、実際問い合わせてみることをおすすめします。

遺言書(Will)作成の料金】総合計 $594.00

  • LEGAL FEE : to drafting and executing Wills : $400.00
  • Powers of Attorney for couple : $100.00
  • Will registration for couple : $34.00
Tofu

値段はかかりましたが、子供の将来と、なにかトラブルになり裁判沙汰になって弁護士を雇うことを考えたら、

わたしたちは安心料だと捉えました。

遺言書(Will)の保管

 完成した遺言書(Will)は、安全でアクセスしやすい、耐火性、防水性、耐タンパー性(改ざんできないこと)に優れた場所に保管しておきます。遺言書(Will)の場所を家族や遺言執行者(Executor)に知らせておくのも忘れないようにしてください。

 銀行に預けておく人もいます。例えば、Royal BankSafe Deposit Box などだと、遺言書(Will)サイズだとSmallサイズで入ると思うので、年間60ドル+TAXくらいでしょうか (2024.04現在)

遺言書(Will)の定期的な見直し

遺言書の定期的な見直しは、人生の大きな変化があった時に特に重要です。結婚や離婚、子供の誕生、財産の変動、居住地の変更、税法の変更、または遺言執行者の状況変化など、これらのイベントは遺言書の内容に直接影響を与える可能性があります。適切なタイミングで遺言書を更新することにより、あなたの意志が正確に反映され、将来的な法的な問題や家族間の争いを防ぐことができます。変更が必要な場合は、専門家の助けを借りて遺言書を見直し、必要に応じて更新することが望ましいです。

Tofu

筆者の次の遺言書(Will)の見直しの時期は、子供が成人してからだと思っています。

遺言書(Will)以外に用意したいもの

 遺言書の他に、あなたの意志を確実に実行し、家族を守るために用意しておくべき重要な文書がいくつかあります。まず、永続的委任状(Enduring power of attorney)を用意すると、あなたが自分で決断できなくなった場合に、信頼できる人が財務や法的な事務を代行できます。また、事前ヘルスケア指示書(Advance directive)と呼ばれる医療に関する委任状は、健康に関する大切な決定をあなたの希望に沿って行えるようにします。これらは、もし意識がなくなった時にどのような治療を受けるかを事前に決めておくためのものです。

 信託は、あなたの資産を管理し、指定した受益者に利益をもたらすために設定することもできます。これにより、財産がスムーズに移行し、税の節約にもなることがあります。さらに、資産リストを作成しておくと、あなたの持ち物がどこに何があるのかを明確にし、遺言執行者が財産を効率的に管理する手助けとなります。今のご時世、デジタル資産に関する指示も用意しておくと、オンラインアカウントやデジタルファイルの扱い方が明確になりますよね。

 筆者は、亡くなった時や病気や認知症などで意思疎通ができなくなったときに備えて、家族に向けて必要な情報を書き残しておくためにエンディングノートを購入し、記入を済ませました。エンディングノートといえば高齢になってからと思われがちですが、生きている限り、いつ何が起こっても不思議はありません。実際にノートを綴りながら、いろいろな情報の整理ができてよかったです。

カナダで遺言書(Will)作成のまとめ

遺言書(Will)を作成することは、大切な家族や人々、自信の財産を守り、あなたの意思で分配する大切な人生の仕事です。遺言書(Will)を書くことによって、身の回りが整理され安心感を得ることができます。

自身の安心のため、そして将来の家族の安心のためにも、作成してみてはいかがですか?

PVアクセスランキング にほんブログ村

-カナダで生活
-,