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就職への近道!好かれる介護実習生6つのポイント

2023-04-16

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 はじめまして、カナダの高齢者ケアホームで介護士(Resident Assistant)として働いているTofu【@eigodekaigo】です。X(旧Twitter)とInstagramでは、日々の気づきやカナダの暮らしとヘルスケアに役立つ情報を毎日発信しています。もしよろしければ、ぜひフォローして、保存していただけると嬉しいです!(プロフィールリンク参照)

 これまで私は、介護学校から来るPracticum student(実習生)の指導に多く関わってきました。この記事では、カナダで介護士を目指す皆さんに向けて、実習中に心がけたいポイントや、スタッフ・入居者から信頼されるコツを、現場での経験をもとにお伝えします。

 これから介護の世界に踏み出す方、転職を考えている方が、少しでもスムーズに就職へつながるようなヒントになれば嬉しいです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

Tofu

Health Care Assistantプログラムでは、校内のラボでの学習に加え、高齢者施設などでの実習が含まれるのが一般的です。実習の期間や場所は学校によって異なるため、入学前に内容をよく確認しておくことが大切です。

 私は Vancouver Community CollegeHealth Care Assistant コースを受講しましたが、他の学校に比べて実習先が多く、期間も長かったです。確かに大変でしたが、それぞれの施設での働き方を学ぶことができ、就職活動にもとても役立ちました。実際に実習を行ったすべての施設から、コース修了後に「レジュメ(履歴書)を持ってくれば、雇ってあげるよ!」と嬉しいお言葉をいただきました。

筆者の経験した実習先

  • Intermediate Care - 最初の実習場所は、中度レベルの高齢者施設
  • Special Care - 認知症ユニット
  • Family Respite Centre - 日本で言う通所施設
  • Extended Care (Long Term Care ) - 重度レベルの高齢者施設

#1 遅刻厳禁 & あいさつはしっかり

 「実習生は遅刻厳禁、挨拶はしっかり」。当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、実際の現場ではこれができない学生も意外と多いのです。遅刻をしても言い訳ばかりで謝らなかったり、周囲への配慮が欠けていたりするケースも見受けられます。

 実習先が決まったら、まずは施設の場所やアクセス方法をきちんと調べておきましょう。平日と週末では交通状況が異なり、バスや電車の本数も変わるため、通勤にかかる時間は日によって大きく変動します。可能であれば実際に通ってみて、時間帯ごとの所要時間をシミュレーションしておくと安心です。

 また、実習先によってはインストラクターやクラスメイトが同行せず、自分ひとりで現地に行くこともあります。その場合に備えて、何かトラブルが起きた際にすぐ連絡できるよう、施設代表番号だけでなく、現場責任者などの緊急連絡先を事前に確認しておきましょう。特に朝のシフトでは、受付がまだ出勤しておらず、電話が留守電になってしまうこともありますよ!

 当日は、始業時間の少なくとも10分前には施設に到着しておくのが理想です。シフト交代の時間はロッカーが混み合いますし、靴の履き替えやレポートを聞く準備など、余裕を持って行動することで気持ちも落ち着きます。

 そして何より大切なのが、スタッフや入居者への挨拶です。誰に対しても、笑顔で丁寧に挨拶をするだけで、あなたの第一印象はぐんと良くなります。介護の現場では、こうした小さな積み重ねが信頼につながっていくのです。

Tofu

 実習初日に道に迷って遅刻してしまうことは、ある程度は仕方のないこととして、私たちも寛容に受けとめています。しかし、それが毎日続くとなると話は別です。以前、何度注意しても遅刻を繰り返す学生がいましたが、最終的にその学生は遅刻を理由に単位を落とすことになりました。介護技術を身につける以前に、社会人としての基本的な姿勢が問われていることを、どうか忘れないでほしいと思います。

#2 メモを取り、どんどん分からないことは聞きましょう!

 学生ですから、知らないことが多いのは当然です。でも、実習では知識の量よりも、学ぼうとする“意欲”をしっかり見せてください。実は「この人は本当に介護士として働く気があるのかどうか」は、初日の姿勢だけである程度伝わってくるものです。

 分からないことがあれば、遠慮せずスタッフに質問してください。そして、その場でしっかりメモを取ることも忘れずに。実習中に見たこと・聞いたこと・感じたことを記録に残すことで、自分の中に知識が定着しやすくなります。

 学校で学んだことと、実際の現場が違って感じることもあるかもしれません。それは自然なことです。教科書通りに進まない場面もたくさんあります。むしろ、その違いに気づいて「なぜ?」と素直に質問できることが、実習生としての大きな成長につながります。実際、私自身も長年現場で働いているうちに、無意識に自己流になっている部分もあります。実習生から「学校ではこう習いました」と言われてハッとすることもあり、気づきや学びをもらうことも少なくありません。

 そして何より大切なのは、「分からないままにしないこと」。分かっていないのに分かったふりをするのは、入居者の安全にも関わる重大なことです。少しでも不安がある時は、必ず確認してください。質問することは恥ずかしいことではなく、実習生として最も大切な姿勢です。

 英語の面でも、聞き慣れないスタッフの話し方や医療・介護の専門用語に戸惑うことがあると思います。特に忙しそうなスタッフに声をかけるのは気が引けるかもしれません。でも、ミスをしてしまうくらいなら、勇気を出して確認しましょう。何度でも聞いて大丈夫です。

Tofu

実習は学ぶ場所です。安心して、分からないことは素直に尋ねてくださいね!

#3 笑顔で、積極的にコミュニケーション

 すでにお伝えしたことと少し重なる部分もありますが、やはり実習中はとにかく積極的に、スタッフや入居者の方に自分から話しかけて、コミュニケーションを取っていきましょう。最初は緊張して体も心もガチガチになることが多いと思いますが、そんな時こそ、笑顔を忘れずに。明るい雰囲気で接する学生は、自然と周りに好かれ、信頼もされやすくなります。

 例えば、入居者やスタッフの名前が聞き取りにくかったり、発音が難しいと感じたときは、それをきっかけに会話を始めるチャンスです。「お名前はどうお呼びすればいいですか?スペルを教えていただけますか?どこの国のお名前なんですか?」そんな一言から、思いがけず会話が広がることもあります。

 話題が見つからないと感じる時も、無理に難しいことを話す必要はありません。「今日は寒いですね」「私は介護の勉強で実習に来ています」そんなささいな言葉が、入居者との大切なやりとりの第一歩になります。

 また、指導スタッフが他の業務で忙しくしていて、実習生が一人でポツンと取り残されることもあるかもしれません。そんな時にスマホを取り出して時間を潰すのはNGです。周りのスタッフに「何か手伝えることはありますか?」と声をかけたり、ラウンジでくつろいでいる入居者に話しかけてみたりすることで、実習の時間がぐっと意味のあるものになります。ほとんどの入居者は、誰かが話しかけてくれるのを楽しみにしています。

Tofu

 勇気を出して一歩踏み出すことで、実習がもっと実りのある時間になりますよ。最初は誰でも緊張します。でも、積極的な姿勢と素直な気持ちは、必ず周囲に伝わります。

#4 スタッフの行動をよく観察

 実習中は、ぜひ可能な限りたくさんのスタッフを観察してみてください。同じケアでも、スタッフ一人ひとりに違いがあり、どの方法が正解ということはありません。入居者への声のかけ方、立ち位置、タイミング――どれをとっても個性があり、それぞれに意味があります。学生のうちは「じっくり見る」ことができる貴重な時間。ぜひ、いろいろなアプローチを見比べながら、自分にとって心地よいケアのスタイルを探してみてください。

 また、介護の現場ではチームワークがとても重要です。どのようにスタッフ同士が協力し合っているかにも、ぜひ注目してみてください。特に、入居者の転倒など予期せぬインシデントが起きたときに、現場がどのように対応しているか――他のスタッフがどのようにタスクを引き継ぎ、どんなふうに連携してフロアを回しているのかを観察することは、将来、あなたが一人前の介護士として働くときに必ず役立つはずです。

 実習中は緊張もあり、自分の動きに精一杯かもしれませんが、「見る力」を養うのも大切な学びのひとつです。積極的に観察し、気づいたことや印象に残ったケアは、ぜひその日のうちにメモに残しておきましょう。きっと、あなたの介護士としての土台になりますよ。

#5 感謝の気持ちを忘れずに!

 実習中、自分自身がとても大変だと感じる場面はたくさんあると思います。実は私も、かつて同じように実習で悩んだ経験があるので、その気持ちはよく分かります。でも、ひとつ忘れないでいてほしいのは、実習生を受け入れている施設のスタッフたちも、実はとても大変だということです。

 新人職員であれば、いずれは現場の戦力になるという期待もありますが、実習生は評価や採用に直結するわけではありません。そのため、現場のスタッフにとっては、実習生を受け入れることが「目の前の業務を増やす負担」と感じられることもあるのが現実です。

 それでも、私たちは未来の介護士を育てたいという思いで、日々のタスクと並行して指導にあたっています。入居者のケアをしながら、タイミングを見て教えたり、質問に答えたり、実はいつも以上に気を配っているのです。終わる頃には、喉がカラカラになるほど話し続けていたり、普段以上の疲労を感じたりする日も少なくありません。

 だからこそ、何かアドバイスをもらったり、サポートしてもらったときは、それを「当たり前」と思わずに、素直に「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えることを忘れないでください。その一言だけで、指導する側の心もぐっと和らぎますし、「この子にはもっと教えてあげたい」と自然と思えるものです。

 一生懸命に取り組む実習生には、私たちも真剣に向き合いたくなります。中には実習終了後、管理職に「この学生さん、ぜひ採用を検討してみては?」と推薦したくなるような方もいます。介護実習は、単なる学びの場ではなく、あなたの姿勢次第で就職にもつながる大きなチャンスです。 

Tofu

 どうか、周囲への思いやりと感謝を忘れずに、前向きな気持ちで実習に取り組んでくださいね。私たちも、そんなあなたを心から応援しています。

#6 我慢は禁物です

 介護実習では、基本的に周囲のスタッフや入居者との良好な関係づくりが大切ですが、残念ながら、いつも理想的な環境とは限りません。中には、実習生に対して不適切な態度を取ったり、間違ったケアを行っていたりするスタッフに出会うこともあるかもしれません。

 例えば、実習生が来たことで「これで嫌な仕事を押しつけられる」と考え、本来トレーニングの一環ではないような重労働や不快な業務だけを一方的に任せてくるスタッフがいる場合もあります。さらに、入居者への接し方が明らかに乱暴だったり、ケアの内容自体に疑問を感じるような場面に直面することもあるでしょう。

 そんな時こそ、「実習生だから…」と我慢しすぎないことがとても大切です。あなたの感じた違和感や不安は、現場の安全や介護の質に関わる大事なサインかもしれません。少しでもおかしいと感じたら、ためらわずに学校のインストラクターに報告してください。

 学校によっては、実習中にインストラクターが現場を訪問して、状況を確認してくれるところもありますが、付き添いがないケースもあります。その場合でも、決して一人で悩まず、実習が終わったあとでもすぐに学校に相談するようにしましょう。

 介護実習は、あなたが安心して学び、成長するための大切な時間です。理不尽な扱いや明らかに誤ったケアを見過ごす必要はありませんし、何より入居者の尊厳を守るという観点からも、声をあげることは勇気ある行動です。私たちも、実習生が不安を抱えながら黙って我慢してしまうことがないよう、心から応援しています。何かおかしいなと感じたときこそ、冷静に、そして誠実に対応していきましょう。それもまた、信頼される介護士への第一歩だと思います。 

Tofu

 私も実習中、対応に疑問を感じるトレーナーに出会ったことがあります。入居者に無理やり食事を口に詰め込んだり、リフトで吊ったまま休憩に入る、手を洗わずに別の入居者のケアに入るなど、安全面で問題のある行動を見てきました。

 その時は、迷わずインストラクターに報告し、学校から施設へ正式に連絡してもらいました。実習生だからといって、間違ったケアを黙って見過ごしてはいけません。入居者の安全と尊厳を守るためにも、「おかしい」と感じたことは、必ず報告しましょう!それは実習生にもできる大切な役割です。

好かれる介護実習生のまとめ!

 介護の仕事を志す上で、介護実習はとても大切なステップです。教室で学んだ知識や技術が、実際の現場でどのように活かされているのかを体感できる貴重な機会です。この実習を通して、介護という仕事への理解が深まり、自信を持ってケアに向き合う力が育まれていくはずです。

 現場では、技術以上に求められるのが「人との関わり方」です。スタッフや入居者との間に信頼関係を築き、思いやりのあるコミュニケーションができる実習生は、自然と現場にもなじみ、チームの一員として認められていきます。チームワークを大切にしながら、自分にできることを一つひとつ積み重ねていくことが、介護士としての新しい一歩にきっとつながるでしょう。

 どうか実習の時間を、ただの“通過点”ではなく、将来の自分の土台をつくる大切な経験として、大切に過ごしてください。皆さんの介護士としての未来が明るく、やりがいに満ちた日々になることを心から願っています。

Tofu

コース修了までには、テストやプレゼン、アサインメント、そして実習と、やることがたくさんあって本当に大変ですよね。でもだからこそ、すべてをやりきった修了日の達成感は、何にも代えがたい特別なものになりますよ!

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