こんにちは、カナダの高齢者ケアホームで介護士(Resident Assistant)として働いているTofu【@eigodekaigo】です。
これまで、私は介護学校からのPracticum student(実習生)のトレーニングに指導者として多く関わってきました。この記事では、介護士コースを無事に修了するために欠かせない実習での心構えや、スタッフや入居者に早く信頼される実習の進め方についてお話させていただきます。
これからカナダで介護士を目指す方や、介護職への転職を考えている方が、少しでもスムーズに就職できるようにお役に立てれば幸いです。どうぞ最後までお付き合いください。
Health Care Assistant プログラムでは、学校内のラボでの学習だけでなく、通常、高齢者施設などでの実習も含まれています。実習の期間や場所は学校によって異なりますので、入学前にしっかりと詳細を確認しておくことが大切です!
私は Vancouver Community College で Health Care Assistant コースを受講しましたが、他の学校に比べて実習先が多く、期間も長かったです。確かに大変でしたが、それぞれの施設での働き方を学ぶことができ、就職活動にもとても役立ちました。実際に実習を行ったすべての施設から、コース修了後に「レジュメ(履歴書)を持ってくれば、雇ってあげるよ!」と嬉しいお言葉をいただきました。
筆者の経験した実習先
- Intermediate Care - 最初の実習場所は、中度レベルの高齢者施設
- Special Care - 認知症ユニット
- Family Respite Centre - 日本で言う通所施設
- Extended Care (Long Term Care ) - 重度レベルの高齢者施設
遅刻厳禁 & あいさつはしっかり
実習生は遅刻厳禁、挨拶はしっかり!
当たり前のことを言わないでと思いますよね?でも残念ながら、実際にできない学生が多いのです。遅刻しても、言い訳に徹して謝らなかったり・・・・。
実習場所が決まったら、きちんと場所、施設の事前下調べはしましょう!平日と週末の交通量、ラッシュアワーで当然通勤時間も異なります。公共機関は、週末はバスや電車の本数も減ります。必ずシミレーションをしておきましょう。実習先によっては、インストラクターやクラスメイトがいなくて、単独で実習に行く場合もあります。万が一通勤途中でアクシデントにあい、施設にたどり着けない場合の受け入れ施設の代表ではない緊急連絡先も、予め聞いておきましょう。特に朝のシフトだとまだ受付も出勤していないので留守電につながり、すみやかに当日働く責任者に伝達ができないこともあります。
理想は始業時間少なくとも10分以上前には、施設に到着して下さい。シフトチェンジで、ロッカーもバタバタ混み合います。靴を履き替え、レポートを聞ける準備をしておきましょう。
挨拶は、どのスタッフにもしっかりしましょう。もちろん、入居者にもです。これだけでも、あなたへの第一印象が大きく違います。
初日に迷って遅刻するのは、私たちも少しは寛容です。しかし、毎日遅刻となると論外です。以前に注意しても注意しても遅刻する学生がいて、その学生は遅刻が理由で、単位を落としています。技術習得以前の、社会人としての自覚が足りないとみなされてしまいます。
メモを取り、どんどん分からないことは聞きましょう!
学生ですから、知らないことが多いのは当然のことです。学ぶ "意欲" は見せてください。これから介護士になって働く気があるかないかは、初日だけで分かってしまうものです。どんどん疑問に思うことはスタッフに質問し、メモを取るようにしてください。
学校の授業で習ってきたことと、実際の現場で異なることも多いと思います。素直に、その疑問をぶつけてみてください。私自身も長年の業務に慣れてしまって、忠実に学校で習う教科書通りに業務を遂行できてないこともあります。そう言ったことを指摘されるのは、(私自身は)新鮮で勉強になります。
理解していないのに分かったふりは、入居者の安全にも関わるので、必ず分かるまで確認してください。分からないことを分かり、それを質問することこそが、学生には大切なことです!
英語の面でも、聞き慣れないスタッフの英語やヘルスケアの専門用語を理解するのは大変だと思います。忙しそうなスタッフを呼び止めて質問するのを恐縮してしまうと思います。それでも、何度も言いますが、聞かずにミスをするよりは、必ず聞いてくださいね。
笑顔で、積極的にコミュニケーション
前述の項目と多少類似していますが、とにかく積極的にスタッフや入居者と話しかけて、コミュニケーションをはかっていきましょう!
ガチガチに緊張することも多いと思いますが、笑顔で明るく振舞う学生は、自然と皆に好かれていきます。
名前も分からない、国籍が違うと尚更発音が難しい名前も・・・・そのピンチがチャンスです!
「名前をなんてお呼びしたらいいのですか?スペルアウトしてくれますか?どちらの国の名前ですか?」
話題に迷っている時も、これなら入居者に話しかけるきっかけになりますよね?指導するスタッフが忙しい時は、よくポツンと放っておかれる学生も見かけますが、携帯いじりはNGです。他のスタッフに手伝えることがあるか聞いたり、ラウンジで休んでいる入居者に、どんどん話しかけてあげてください。たいていの入居者は、喜んで話してくれます。共通の話題がなくても、天気のこと、実習生のタグを見せながら自分が学生で実習に来ていること・・・・なんでもいいと思います。
スタッフの行動をよく観察
可能な限り、たくさんのスタッフを観察して下さい。ケアも十人十色、正解はないと思っています。どんなふうに入居者にアプローチしてケアをしているか、学生の時こそ、じっくり見て学べるチャンスです。
介護の仕事は、チームワークも非常に要求されます。どのようにスタッフ同士が協力し合っているかも、観察してみてくださいね。特に入居者の転倒などインシデントが起きた時、他の入居者のケアタスクを誰が引き継いで、どのように連携を取ってフロアを回すかは、やがて自分が一人前になって勤務する時に必ず役立つ知識になると思います。
感謝の気持ちを忘れずに!
実習で自分自身が非常に大変なのは、私も経験してきたので、とても分かります。その中でも、実習生を受け入れている施設のスタッフも大変ということは、常に忘れないでください。やがて自分達の戦力となる新人トレーニングと違って、私たちにとって実習生を受け入れるメリットは遠い目で見たらあるかもしれませんが、目先では敬遠したいものなのです。なにしろ、1日中指導をしながら、いつも通り自分達のタスクもこなさないといけないので、喉はカラカラになるし、疲れも本音は倍なのです。
何か助言やサポートをしてくれたら、当たり前と思わず、常に感謝の気持ちを伝えられる学生でいてください。私たちも、一生懸命頑張ってくれる学生には、つい育成にも力が入り、実習後は管理職に就職の推薦もしたくなるものです。
我慢は禁物です
少しタイトルの " 好かれる介護実習生 " と話題が外れますが、もし意地悪なスタッフや、どう考えてもケアが間違っているスタッフがいたら、躊躇わずインストラクターにレポートしてください。
実習生が来たら、” 実習生に丸投げで楽できる!" と思って、トレーニングの一環ではなく、ただ嫌な仕事を押しつけるスタッフもいます。入居者のケアでも、酷い扱いをするスタッフに境遇するかもしれないです。
インストラクターが実習に一緒に引率する学校もありますが、引率しない場合は、1人でストレスをためたり悩まず、必ず学校に戻って相談するようにしてください。
私も、実習のトレーナーが酷い対応の時がありました。入居者の食事介助で、無理矢理口に食事を詰め込んだり、入居者の安全確保をせず、シーリングリフトに吊るしたまま休憩に入ってしまったり、手を洗わず他の人のケアに入ったり....インストラクターにレポートし、学校からその施設の管理職に連絡をしてもらうこともありました。実習せいだからと言って、黙ってはいられないことはあるものです。
好かれる介護実習生のまとめ!
介護の仕事を志望する上で、介護実習はとても重要です。教室で学んだ知識とスキルが、どのように実際の現場で適用されているかを知る重要な機会です。この実習を通して、より介護の理解を深め、ケアの大きな自信にもつながります。
コミュニケーションスキルを身に付け、チームワークを養い、信頼関係をスタッフと入居者と築けていける実習生こそが、介護士としての新しいステップへの近道になると思います。是非こんなことを念頭に置いて、実習に臨んでみてください。
みなさんの介護士としての将来が明るく、充実したやりがいのある日々になりますように・・・・
コース修了は、テスト、プレゼン、アサイメント、実習・・・・大変ですよね。だからこそ修了日の達成感は格別です!