はじめまして、カナダの高齢者ケアホームで介護士(Resident Assistant)として働いているTofu【@eigodekaigo】です。X(旧Twitter)とInstagram、noteでは、日々の気づきやカナダの暮らしとヘルスケアに役立つ情報を発信しています。もしよろしければ、ぜひフォローして、保存していただけると嬉しいです!(プロフィールリンク参照)
2025年秋、今年も呼吸器系の感染症流行予防のため、特に高齢者や基礎疾患を持つ方を中心に、COVID-19(新型コロナウイルス)およびインフルエンザの予防接種がスタートします。
介護施設勤務の筆者だけでなく、在宅で家族を支える方々が、正しいワクチン情報を知ることは「安心」と「信頼」につながります。カナダ在住の日本人介護者としての経験を交えつつ、カナダBC州での最新情報・接種手順・副反応への備えまでを、なるべく分かりやすくまとめました。

筆者の職場でも、入居者の方々は10月の第2週に、接種を完了しました!

2025年秋 予防接種ガイド
高リスクの方から優先的に接種スタート
カナダBC州では 2025年10月14日(火) から、呼吸器感染症シーズンに備えた秋冬のワクチン接種プログラム が正式に始まります。
この時期はインフルエンザや新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が重なりやすく、特に高齢者や基礎疾患のある方にとっては命に関わるリスクが高まります。そのため、BC州保健省は「早めの接種」を強く呼びかけています。
対象は 生後6か月以上のすべての住民 ですが、重症化リスクが高い方には、優先的に予約案内が送られます。このプログラムは、カナダ公衆衛生庁(PHAC)の方針に沿い、全国的な感染拡大を防ぐために毎年実施されているものです。
優先案内が届く主な対象グループ
以下のグループには、州政府から優先案内(メールまたはSMS)が届きます。この仕組みは、重症化を防ぐための公衆衛生上の重要な対策です。
まとめ
65歳以上の高齢者:
免疫力の低下や慢性疾患の併発により、感染後の重症化リスクが高い
基礎疾患のある方:
糖尿病、心臓疾患、呼吸器疾患、腎臓疾患などを抱える方
介護施設やアシステッドリビング施設の入居者:
集団生活による感染リスクが高い
妊娠中の方:
免疫変化により、感染による合併症リスクが上昇
医療・介護従事者:
高齢者や患者との接触が多く、感染経路となるリスクがある
免疫抑制治療を受けている方:
がん治療や自己免疫疾患治療の影響で免疫が低下している場合
BC州政府は「重症化を防ぐには、ワクチン接種が最も効果的な手段」と明言しており、上記の方々に対して早期の接種を推奨しています。
「Get Vaccinated」システムで簡単予約
BC州の予防接種予約は、「Get Vaccinated」システムによって一元管理されています。登録を済ませておくと、接種時期が来た際に自動的に通知が届き、自宅近くのクリニックや薬局から簡単に予約を入れることができます。
登録方法
- 公式サイト Get Vaccinated にアクセス
- 名前、生年月日、郵便番号、BCサービスカード番号を入力
- メールアドレスまたは電話番号を登録し、確認コードを受け取る
- 登録完了後、順番が来たら案内が届く

このシステムの利点は、高齢の家族の代理登録も可能だそうです。
COVID-19ワクチンとインフルエンザワクチンの同日接種
BC州では、新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンとインフルエンザワクチンの同日接種が可能です。両方を同時に受けることで、通院の手間を減らし、感染予防効果を重ねて高めることができます。
ただし、体調がすぐれない場合や副反応が心配な方は、数日間あけて別日に接種しても問題ありません。これはBC Centre for Disease Control(BCCDC)でも正式に認められている方法です。
特に高齢者や持病を持つ方は、主治医または薬剤師に接種タイミングを相談するのが安心です。個々の健康状態(服薬・既往症・免疫抑制治療など)によって最適な時期が異なるためです。
両方同日接種は、付き添いの手間が省けて介護者にはありがたいです!
接種後のケアと介護者のサポート
ワクチン接種後は、体を休めることが何より大切です。高齢者の場合、発熱よりも水分摂取の減少や食欲の低下が見落とされやすいサインです。
接種後のセルフケアポイント
- 注射した腕は清潔に保ち、数日は無理に動かさない
- 翌日は軽い倦怠感や微熱が出ることもあるため、予定を詰め込みすぎない
- 体温が上がったときは十分な水分と休息をとる
- 食欲がない場合は、おかゆやスープなどの消化に良い食事を用意する
- 強い副反応や長引く症状があるときは HealthLink BC(電話811) に相談
※日本語通訳を介した相談も可能
介護者も一緒に接種を受けることが大切
家族を介護している方自身も、感染リスクを抱えています。介護者が感染してしまえば、介護そのものが成り立たなくなります。
そのため、BC州では介護者本人の接種も推奨しています。施設介護の現場でも、入居者とスタッフが同時期に接種を受けることで、集団感染リスクが大幅に下がった事例が報告されています。
家庭介護でも、「親だけ」「自分だけ」ではなく、家族全体で守る意識を持つことが重要です。それが、長く介護を続けるための安心の土台になります。

信頼できる公的情報リソース
予防接種に関する情報は日々更新されています。SNSや口コミよりも、公的な医療機関の情報を参照することで、誤情報に惑わされず正しい判断ができます。
機関・団体 | 内容 | リンク |
---|---|---|
BC Centre for Disease Control (BCCDC) | 州の感染症・ワクチン情報を提供。FAQや最新統計も掲載。 | https://www.bccdc.ca |
HealthLink BC | 医療相談・予防接種に関する一般相談窓口。日本語通訳も利用可。 | https://www.healthlinkbc.ca |
Public Health Agency of Canada (PHAC) | カナダ全体の感染症・ワクチン安全性データを管理。 | https://www.canada.ca/en/public-health.html |
Tonari Gumi(隣組) | バンクーバーの日本語支援団体。高齢者や家族介護者向けサポートを実施。 | https://www.tonarigumi.ca |
まとめ|秋の予防接種で家族の安心を守る
- 2025年10月14日から、BC州で予防接種プログラムが開始
- 対象は6か月以上の全住民、高齢者や基礎疾患を持つ方は優先案内
- COVID-19ワクチンとインフルエンザワクチンは同日接種可能
- 家族介護者も積極的に接種を受けることで、感染から家族を守れる

2025年の冬も、体調に留意しながら、あたたかく過ごしていきましょう!
介護する人も、される人も――お互いに「ありがとう」と言い合える季節になりますように

