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【10年続けられた理由】カナダで介護士を長く続けるための秘訣5選

2023-06-16

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こんにちは、カナダの高齢者ケアホームで介護士(Resident Assistant)として働いているTofu【@eigodekaigo】です。

介護士としてカナダで長く働き続けるための秘訣をお伝えします。筆者自身が10年以上の経験を持つ介護士として、これからこの道を目指す皆さんの不安を少しでも解消できるようお手伝いします。

カナダでも日本でも、介護業界は他の業界に比べて離職率が高いと言われています。肉体的・精神的な負担が大きい上に、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)のような感染病のリスクに晒されることも多く、この離職率の高さには理解ができます。

実際、筆者の職場でも多くの同僚がコロナ禍の中で職場を去っていきました。介護学校に高い授業料を払い、実習を経験して修了しても、1年未満で介護士として働くのを諦める人も少なくありません。

しかし、現状とは逆に、世界中で高齢化が進み、介護サービスの需要はますます高まっています。収入や福利厚生が理由での離職は避けられないかもしれませんが、それ以外の理由であれば、もう一度考え直し、介護士としての道を続けることはできるでしょうか?

この記事では、10年以上カナダの高齢者施設で介護士として働いてきた筆者が、介護の資格を無駄にしないための5つの秘訣を共有します。最後までお付き合いいただければ幸いです。

上記は、公益財団法人 介護労働安定センターの令和3年度「介護労働実態調査」結果です。離職率が少しでも減少していることは嬉しいですね。

出典:介護労働安定センターの令和3年度「介護労働実態調査」

Tofu

筆者の通った介護の学校のクラスメイトも、卒業せずにあきらめたり、1年未満で介護業界を去っていった人も多いです。この記事が、介護の仕事を辞めようか迷っている人の、少しでも業界に残って働き続けるお役に立てれば・・・・

介護士が長く続かない主な5つの理由

給与と待遇の不満

介護士として働く上で、給与や待遇に対する不満は離職の大きな要因の一つです。介護士の仕事は肉体的にも精神的にも負担が大きいにもかかわらず、報酬が見合わないと感じることが多いです。

筆者も、初めて介護士として働き始めた時、思った以上に給与が低く、家計を支えるのが難しいと感じました。特に子育てをしながらの生活では、出費がかさむため、経済的な安定を求める気持ちが強くなります。労働時間に対する適正な報酬や、福利厚生の充実が求められます。

給与が労働時間や大きな責任に対して見合っていないと、辞める選択は避けられません。コロナ禍においては、1サイトオーダー(感染拡大予防のため、1つの施設でしか働けないこと)が出ていたため、時給こそ多少上がりましたが、それでも入居者を感染させないように細心の注意を払って働く緊張感、自分や家族が感染リスクに晒されながら業務をこなすことを考えると、まだまだ十分な待遇ではありませんでした。人手不足で、普段より1人に対する担当業務も増えていた時期もありました。

ストレスと心身の負担

介護士の仕事は、肉体的ばかりでなく、精神的にも負担が大きいです。移動介助や入浴介助は肉体的重労働で、腰痛や関節痛などの怪我が絶えません。私自身も、重い入居者を移動させる際に腕を痛めた経験があります。また、感染症のリスクも常に伴い、特にCOVID-19のパンデミック時には、私たち介護士は自身や家族の健康への懸念と常に向き合っていました。

精神的な負担も大きいです。入居者から罵声を浴びることもありますし、看取りなどの場面では精神的な疲労が蓄積します。特に、長年ケアをしてきた入居者が亡くなる時の悲しみは計り知れません。筆者も、何度も看取りの場面を経験しましたが、その度に深い悲しみと同時に、ケアを全うできたという達成感も感じています。

このような感情の起伏がストレスの一因となり、介護士は"バーンアウト(燃え尽き症候群)"に陥りやすいです。実際、私も一時期、仕事に対するやる気と体力を失い、休職を余儀なくされたことがあります。その時は、同僚や家族のサポートを受けて少しずつ回復しましたが、この経験を通じて自己ケアの重要性を強く実感しました。

ワークライフバランス維持の困難

ワークライフバランスを維持するのも、大変です。特に小さい子供を抱えていると、スケジュール調整が非常に難しくなります。

例えば、夜勤が続くと子供の朝の支度や送り迎えをパートナーに頼らざるを得ません。また、週末に家族と過ごす時間が限られてしまい、家族とのコミュニケーションが疎かになりがちです。このような状況が続くと、家族との時間が取れないことに対するストレスが積み重なり、仕事へのモチベーションが低下することがあります。

さらに、シフト勤務のために自分自身の休息時間が不規則になり、疲労が蓄積しやすくなります。これは、体力的にも精神的にも大きな負担となり、結果としてバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るリスクが高まります。実際、私も長時間労働が続いた時期には体調を崩しやすくなり、仕事を辞めたいと感じたことが何度もあります。

これらの理由から、ワークライフバランスを維持することが難しく、介護士を辞めてしまう人も多いのです。

Tofu

私自身も働きながら小さな子供を育てていたので、この問題には常に悩まされていました。特にカナダの夏休みは2カ月以上と長いので、サマークラスの手配や経済的負担が大変でした。

職場の人間関係

介護士として働くには「チームワーク」が非常に重要です。介護現場では、ナースや同僚とのコミュニケーションを常に取ることが求められるため、人間関係がうまくいかないと仕事が非常に厳しくなります。日常的に様々な状況に対応しなければならないため、個々のスタッフが協力し合うことが不可欠です。

例えば、夜勤中に急変した入居者の対応を一人で行うのは不可能です。ナースと介護士が迅速に連携し、適切なケアを提供することで、入居者の命を守ることができます。

一方で、コミュニケーションの不足から問題が生じることもあります。新人スタッフが指示を理解せず、対応が遅れることで入居者の状態が悪化した経験があります。このようなケースでは、適切なコミュニケーションが取れていないことが原因で、スタッフ全員にストレスがかかり、職場の雰囲気が悪化します。

人間関係がうまくいかないことが原因で辞めるケースも、少なくありません。ある同僚が他のスタッフと意見が対立し、孤立してしまった結果、精神的に追い詰められ退職を選びました。このようなストレスフルな状況では、介護士としての仕事を続けることが困難になります。

ライフスタイルの変化

介護士の仕事は、ライフスタイルの変化によっても、辞める理由の一つとなります。結婚、出産、子育てなどのライフイベントはもちろん、介護士からその上のナースを目指す人も多くいます。さらなるスキルや知識を身につけるために、学び直しや転職を選ぶ人が少なくありません。

まず、結婚や出産は大きなライフイベントであり、これに伴う生活の変化は仕事に大きな影響を与えます。介護の仕事はシフト制であり、不規則な勤務時間が家族との時間に影響を及ぼすことが多いため、家庭と仕事の両立が難しくなることがあります。特に、小さな子供を持つ親は、子供の世話や家事とのバランスを取ることが困難です。このため、多くの介護士が家庭の事情で仕事を辞める選択をせざるを得なくなります。

また、介護士としてのキャリアを積む中で、さらなる成長を目指してナースなどの上位職を目指す人もいます。これは、収入やキャリアの安定性を求めるためだけでなく、専門知識やスキルをさらに深めたいという向上心によるものです。しかし、これには再び学校に通う必要があり、フルタイムでの学業と介護士としての仕事を両立するのは非常に難しいです。このため、学業に専念するために一度介護士の仕事を辞める人が多いのも事実です。

さらに、介護業界の特性上、職場の環境や仕事の負担が大きいため、長期間にわたって働き続けることが難しくなる場合もあります。身体的な負担や精神的なストレスが積み重なり、健康を維持するために仕事を辞めることを選ぶ人もいます。特に、コロナ禍においては感染リスクが高まり、健康面での不安が増したことで退職を決断するケースが増えました。

これらの理由から、介護士の仕事はライフスタイルの変化に影響を受けやすく、結果として辞める人が多いのです。

カナダで介護士を長く続けるための秘訣5選

十分な体力づくりと体調管理

介護士の仕事は肉体労働が多く、何よりも体力が必要です。日頃から適度な運動を取り入れ、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。また、十分な睡眠を確保することも大切です。シフト前のストレッチは、怪我の予防に効果的です。筆者も毎朝、軽いストレッチを行い、シフト前は身体をリフレッシュさせています。

また、少しでも体調に異変を感じたら、無理をせずに休む勇気も必要です。人手不足で欠勤の連絡をためらうこともありますが、無理をして体調が悪化したり、入居者に病気をうつしたりすることは避けなければなりません。私も過去に、無理をして出勤した結果、体調を崩して長期休養を余儀なくされたことがあります。それ以来、体調管理の重要性を強く意識するようになりました。

筋肉疲労を感じたら、フィジオセラピーやマッサージを受けるのも効果的です。プロの手でメンテナンスしてもらうことで、身体の疲れが軽減され、仕事のパフォーマンスが向上します。職場で怪我をしてしまった場合も、しっかり治療してから復帰することが大切です。無理をして早く復帰するよりも、完全に回復してからの方が、長く働き続けるためには有益です。

長期にわたって介護士として働くためには、日々の体力づくりと体調管理が欠かせません。自分の健康を大切にしながら、介護の仕事に従事することで、やりがいを持って長く働き続けることができます。

ストレス緩和を心がける

介護の仕事は、感情的に辛いことに直面することが多く、入居者やその家族から心ない言葉を受けることもあります。そのため、「Don't take it personally!!!」という言葉を同僚同士で励まし合いながら、個人的に受け止め過ぎないことが大切です。自己反省は必要ですが、過度に自分を責めないようにしましょう。

例えば、認知症の入居者は記憶を失う不安や適切な言葉を見つけられない苦しみを抱えていることがあります。そのため、彼らの言動を個人的な攻撃として受け止めるのではなく、介護のプロとして冷静に対応することが重要です。心に余裕を持ち、入居者の背景や状況を理解することで、ストレスの緩和に繋がります。

もちろん、私たちも人間です。あまりにも入居者の言動が酷い時は、我慢せず上司に報告することも必要です。適切な対応を求めることで、自分の精神的な負担を軽減できます。

仕事は仕事と割り切ることも、長続きするコツです。施設の外に出たら、仕事のことを引きずらずに切り替え、自分や家族のために時間を使いましょう。私は、自宅に帰ったらリラックスできる時間を作り、趣味や家族との時間を楽しむことでリフレッシュしています。

介護士として10年以上の経験を通じて、感情のコントロールとストレス管理の重要性を実感しています。自分自身を大切にし、心身ともに健康でいることで、介護の仕事を長く続けることができるでしょう。

Tofu

とは言え、筆者もシフト外でも、入居者のことを考えたり、死別の時は、気持ちの立て直しが大変です。でも、そういう公私の切り替え下手な介護士がいてもいいかな?って、最近は思うようにしています。入居者は、家族みたいなものですから!

1人で抱え込まずに、周りの協力も求める

介護士として10年以上働いてきた私からのアドバイスとして、介護の仕事は非常に大変で、一人で全てを抱え込むことは避けるべきです。職場環境や雰囲気にも左右されますが、自分だけで何でもやろうとしないことが大切です。

例えば、シフト中に一人で15人以上の入居者を担当することもあります。その中には、体調が優れない人やケアに非協力的な人もいます。責任感が強い人は何が何でも自分だけでタスクを終わらせようとしますが、これは非常に危険です。大変な時は、なるべく同僚に助けを求めてください。自分の焦りやイライラは入居者にも伝わり、余計にケアを拒否されることがあります。

私自身、体調を崩した時やメンタルが弱っている時に同僚の助けを借りることの重要性を痛感しました。"そんな時はお互い様" という空気を作ることで、互いに助け合いながら業務をこなすことが理想です。職場でこのような支え合う雰囲気があることは、仕事を長く続けるために不可欠です。

もし、職場の雰囲気がこのような助け合いからほど遠い場合、仕事を続けられないのは仕方がないと思います。自分一人で抱え込まず、周りの協力を得ることで、精神的にも肉体的にも負担を軽減し、質の高いケアを提供できるようになります。介護士の仕事はチームで支え合ってこそ成り立つものです。これから介護士を目指す方々にも、ぜひこのことを心に留めておいてほしいです。

Tofu

トイレアクシデントの入居者の介助を一人でやろうとする同僚もいますが、時間が許されるのでしたら、筆者は複数で分担してやった方がいいと思っています。1人は着替え介助に、1人はクリーニングと洗濯。迅速な対応は、入居者に不安や不快感を与えないですみます。

ワークライフバランスの確保

介護の仕事は非常に大変で、仕事に多くの時間とエネルギーを消耗します。そのため、離職理由の一つにワークライフバランスの崩れが挙げられます。自分と家族の時間を確保することは非常に重要です。

筆者自身も、仕事の合間に友人と会ったり、コミュニティ活動に参加したり、趣味に没頭することを心がけています。介護の仕事とは全く関係のない空間に自分の身を投じることで、リフレッシュし、新しい視点を得ることができます。これにより、次のシフトに元気に戻ってきて、質の高い介護を提供することができるのです。

残念ながら、入居者の暮らしは私たちに比べて単調で、変化が少ないことが多いです。私はそんな入居者たちに少しでも新しい情報や刺激を届けたいと考え、積極的に外の世界を経験しています。外で見たり聴いたりした新しいことを入居者に話すことで、彼らの生活に少しでも彩りを加えることができればと思っています。

自分がイキイキとし、ポジティブな生活を送ることが、次のシフトで元気に戻ってきて、良い介護ができる原動力になります。介護士を目指す皆さんにも、ぜひ仕事とプライベートのバランスを大切にし、自分自身をリフレッシュさせる時間を持つことをお勧めします。仕事と家庭、そして自分の時間をうまく調整しながら、充実した介護士ライフを送ってください。

Tofu

今は、このブログの記事を書くことで、筆者は今まで以上に暮らしが楽しくなっています。毎日時間が足りないほど忙しいことも多いのですが、仕事以外に没頭できることがあるのは大切だと実感しています。

介護士になってよかったことにフォーカスしてみる

介護の仕事に就きたいと思った動機
人の役に立ちたい、社会に貢献したいという強い気持ちから介護の道を選びました。高齢者の生活を支え、彼らの笑顔を見ることで大きなやりがいを感じます。

仕事をして幸せに感じる瞬間
入居者からの「ありがとう」の言葉や笑顔に触れた時、そして入居者の生活の質が向上したと感じる瞬間に特に幸せを感じます。

将来の身内の介護に役立つスキル
介護の知識や技術は将来的に自分の家族の介護にも役立ちます。介護は国籍を問わず誰にでも必要な知識です。

定年がなく、長く働ける
カナダでは定年が特に設けられていないため、自分次第で長く働くことが可能です。自分のペースで働き続けることができ、長期的なキャリアが築けます。

高齢化社会での安定した職業
高齢化社会において介護の需要は増え続け、仕事がなくなることはありません。安定した職業であり、安心して働き続けられます。

キャリアステップアップの可能性
ナースなどへのキャリアステップアップも可能で、さらなる成長が見込めます。新たなスキルを習得し、自己成長を続けられます。

社会貢献ができる
介護の仕事を通じて社会に貢献し、人々の生活を支えることができます。自分の仕事が社会の役に立っていると感じられます。

自分自身の健康管理が上手になる
介護の仕事を通じて自分自身の健康管理が上手になります。ストレス管理や体力づくりの重要性を学べます。

【まとめ】

介護士として長く働き続けるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

まず、適切なワークライフバランスの確保が不可欠です。介護の仕事はシフトワークであり、日勤や夜勤が不規則に組まれることが多いです。このため、自分の時間と家族の時間を大切にし、仕事以外の活動にも積極的に参加することが重要です。友人と会ったり、趣味に没頭したりすることでリフレッシュし、次のシフトに元気に戻ることができます。

ストレスの緩和も重要な要素です。介護の仕事は感情的に辛いことが多く、入居者やその家族から心ない言葉を受けることもあります。同僚と励まし合いながら、個人的に受け止めすぎないようにすることが大切です。また、入居者の背景を理解し、プロとしての視点を持つことで、心に余裕を持つことができます。

体力づくりと体調管理も欠かせません。介護士は肉体労働が多いため、日頃から適度な運動、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠を心がけましょう。シフト前のストレッチや体調が悪い時には無理をせず休むことも重要です。体調管理を徹底することで、長く健康的に働き続けることができます。

周りの協力を求めることも忘れないでください。仕事を一人で抱え込まず、同僚や上司に助けを求めることが大切です。チームで協力し合うことで、業務の効率が上がり、自分自身の負担も軽減されます。互いに支え合うことで、より良い介護を提供できます。

さらに、キャリアステップアップの可能性を考えることも大切です。介護の仕事を続ける中で、ナースなどへのキャリアステップアップを目指すことも一つの道です。新たなスキルを習得し、自己成長を続けることで、さらなるやりがいを感じることができます。学び続ける姿勢が、長期的なキャリア形成に繋がります。

もし仕事を辞めたい理由が、今の職場の労働環境や人間関係などの理由なら、別の職場に転職することも一つの手です。せっかく苦労して手に入れた介護の資格が生かされるように、この機会にあらゆる角度で見つめ直し、これからも介護士としてイキイキと働ける道が開けることを願っています。

この記事が、みなさんの仕事を辞めたい心のモヤモヤの払拭に、少しでも役立てたら嬉しく思います。介護士としてのキャリアを充実させながら、長く働き続けるためのヒントになれば幸いです。一緒に会越しとして、カナダで頑張りましょう!

Tofu

入居者の人生最後のステージに寄り添い、少しでも笑顔で暮らしてもらえるお手伝いをすること、それが介護の仕事だと思っています。この思いがあるからこそ、これまで辞めずに続けてこれました。もし今後辞職することがあっても、介護士として得た知識と経験は私の人生の財産です。日々のケアを通じて入居者の笑顔や『ありがとう』の言葉に触れると、本当にやりがいを感じます。これが私が介護士として働き続けられる理由です!

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