はじめまして、カナダの高齢者ケアホームで介護士(Resident Assistant)として働いているTofu【@eigodekaigo】です。X(旧Twitter)とInstagram、noteでは、日々の気づきやカナダの暮らしとヘルスケアに役立つ情報を発信しています。もしよろしければ、ぜひフォローして、保存していただけると嬉しいです!(プロフィールリンク参照)

カナダではボランティア活動がとても身近で、高齢者や障がいを持つ方を支える介護ボランティアの機会も多くあります。
施設で暮らす高齢者は、どうしても外部との関わりが少なくなりがちです。そんな中で、ボランティアの方が訪れ、会話をしたり一緒に時間を過ごしてくれることは、日常に小さな刺激をもたらし、QOL(生活の質)の向上にもつながります。
この記事では、これからカナダで介護士やヘルスケア業界を目指す方や、転職を考えている方に向けて、介護ボランティアを通して現地の介護現場や施設を知り、就職につなげるためのヒントを分かりやすくまとめていきます。
いきなり仕事は不安という方こそ、まずはボランティアという一歩から。その参考になれば嬉しいです。
カナダのボランティア活動は、特別なスキルや高い語学力を求められないことがほとんどです。ただし、ビザの種類によっては参加条件が異なる場合があります。
そのため、参加してみたいボランティアが見つかったら、事前にその団体のボランティアコーディネーター(問い合わせ窓口)へ、ビザや参加条件について確認することをおすすめします。
あとから「参加できなかった…」とならないためにも、最初に一言聞いておくと安心です。
私は、介護プログラムの入学許可を待っている間、以前から気になっていた高齢者施設で、1年以上ボランティアをしていました。
このボランティア経験は、就学中はもちろん、就職活動のときにも本当に大きな助けになりました。
現場の雰囲気を知っていたこと、スタッフや入居者との関わりを経験していたことは、あとから思っていた以上に心強い土台になっていたと感じています。

どうやってボランティア活動を探せばいいの?

- カナダのボランティア情報サイトから探す。「Go Volunteer」などはボランティアの登録件数も多いです。ちなみに "Companion/Visitor"のタグで調べてみたら、数団体が検索にヒットして、そこからボランティア登録するようになっていました。
- 実際に興味のある施設のサイトに直接問い合わせてみるか、その施設のホームページで調べてみる。だいたいの高齢者施設は、ボランティア募集要項も掲載しているので、そこから登録し、もし暫くしても連絡が来なかったら、フォローアップの電話をするのがよいと思います。
- その他としては、SNSや新聞、掲示板などで募集している場合もあります。
私の場合は、直接施設に問い合わせて、ボランティア登録用紙を記入し申し込んで、ボランティアメンバーになりました。記入用紙には、週何時間活動が可能か、希望の曜日、希望の活動、自分の特技などを記入する欄がありました。
ボランティアの活動内容
ボランティア登録後は、犯罪チェック(Criminal Record Check)やワクチン接種証明などの必要書類を提出します。これらがすべて受理されてから、オリエンテーションへ進み、正式にボランティア活動がスタートします。
なお、カナダでは介護コースを修了していない人が、入居者の身体に直接触れる行為は、安全面・衛生面の観点から禁止されています。そのため、ボランティアの主な活動内容は、施設によって多少違いはありますが、下記のようなボランティア活動が中心になります。
ボランティア活動例
・アクティビティの補助(アートテーブル、歌、ゲームなど)
・軽いエクササイズの見守り
・誕生日会やクリスマスなど、イベントのお手伝い
「触れない介護」でも、人との関わりや現場の空気を知るには、十分に意味のある経験です!
筆者の当時のボランティア1日の活動例
- ボランティアコーディネーターから、その日の参加者予定リストとアートテーブルの内容を渡される
- アートテーブルの準備
- 入居者の部屋に呼びに行き、アクティビティルームへエスコート
- 入居者が安全に楽しくアクティビティに参加出来るようにアシスト
- アクティビティが終わったら入居者を部屋にエスコート
- 片付けと日報を書いて、コーディネーターに渡す
- 次回のアクティビティのアイディアをフィードバックして、お疲れさまでした!

私は、1対1のお部屋訪問でお話し相手になったり、アートテーブルで得意な折り紙を一緒に楽しんだり、誕生会イベントや散歩の付き添い、カードゲーム、カラオケ、エクササイズなど、本当にいろいろなお手伝いをさせてもらいました。
入居者の方はもちろん、スタッフの方からも感謝の言葉をいただき、「人のお役に立てている」という実感や、生きがいのようなものを感じることができました。
振り返ると、とても温かく、楽しい時間だったなと思います。
ボランティア活動時の注意すべき5つのポイント!
- しっかり体調管理をすること
施設の入居者は高齢者の方が多く、万が一、感染症にかかってしまうと、重症化するリスクもあります。そのため、日頃から体調管理を心がけ、当日少しでも体調に違和感がある場合は、無理をせず早めに病欠の連絡をしてください。
「行けない判断」も、大切な思いやりのひとつ。それが、入居者を守ることにつながります。
- 笑顔であいさつ!
明るく笑顔であいさつをするだけで、入居者の方はぐっと安心してくださいます。
私の働く施設にも、社会経験の少ない若い学生さんがボランティアに来てくれることがあります。言葉は多くなくても、ニコニコと笑顔であいさつをしてくれるだけで、施設の空気がふっと明るくなり、とてもありがたく感じます。
特別なことができなくても大丈夫。笑顔のあいさつは、立派なボランティア活動のひとつです。
- 個人情報を施設の外に漏らさない
ボランティア活動の中で知り得た個人情報は、施設の外に漏らさないよう、取り扱いには十分注意しましょう。
アクティビティなどで配布される参加者名簿や資料も、使用は必ず建物内のみ。自宅へ持ち帰ることは避けてください。信頼があってこそ成り立つのが、介護の現場。小さな配慮の積み重ねが、入居者や施設を守ることにつながります。
- 職務権限を守りましょう
ボランティア活動では、必ずスタッフの指示に従って行動します。事前の打ち合わせで分からないことがあれば、遠慮せず確認しておきましょう!
入居者の中には、スタッフとボランティアの区別がつかず、トイレなどの身体介護をお願いされることもあります。その場合は、決して無理に対応せず、速やかにスタッフへ伝え、サポートをお願いしてください。
「断ること」や「報告すること」も、安全を守る大切な役割のひとつです。
- 入居者への理解
入居者の中には、認知症のある方もいらっしゃいます。事前に基本的な理解を持ち、行動を急がせたり、自尊心を傷つけてしまうような言動は避けるよう心がけましょう。
また、ヒアリングエイドを使用している方への声かけも、最初は戸惑うことがあると思います。そんなときは一人で抱え込まず、分からないことは遠慮せずにスタッフへ確認してください。
小さな配慮の積み重ねが、入居者にとっても、ボランティア自身にとっても、心地よい時間につながります。


ボランティア活動のメリットは?

- 介護士の業務や責任が深く知れる
- 入居者、入居者の家族、スタッフ、施設の雰囲気を直接知る機会
- 介護のプログラム履修中の理解の助けになる(課題提出も、入居者の協力を得られました)
- 英語力が伸びる
- 就職の際に、ボランティア活動は採用に有利(その施設で働けるチャンスもある)
1年以上ボランティアを続けていた施設で、ボランティアコーディネーターの方が当時のマネージャーに
私を「介護士」として推薦してくださいました。
そのご縁のお陰で、ありがたいことに、介護コースを修了する前に内定をいただくことができました。
35人以上いた介護学校のクラスの中で、一番最初に就職が決まった学生になれたのは、ボランティアでの積み重ねが、きちんと見てもらえていたからだと感じています。
当時、ボランティアコーディネーターがマネージャー宛に書いてくださった推薦レターは、次のような内容でした。
将来を見越しながら一生懸命やっていれば、どこにチャンスが舞い降りるか分からないものです。ボランティアを通して、予め入居者や同僚のことを知れていたので、緊張し過ぎず勤務初日を迎えることも出来ました。皆が学校卒業を一緒に喜んでくれて、仲間として歓迎してくれたことが、とても嬉しかったです!
まとめ
介護の仕事を目指している方も、介護業界に進むか迷っている方も、ボランティア活動には、人生に役立つ要素がたくさん詰まっています。
介護スタッフの人手不足が課題となっている今、たとえ毎週の参加が難しくても、単発イベントのお手伝いだけでも、ボランティアは心から歓迎されます。介護士として働く立場になった今、日々、献身的に入居者を支えてくれているボランティアの皆さんには、感謝の気持ちしかありません。介護士だけでは手が回らないお喋りや歌、ちょっとした寄り添いの時間。それらすべてが、入居者のQOLを支える大切な力になっています。
実践的な英語に触れながら、カナダの「介護」を肌で知るきっかけとして、ぜひ一度、ボランティア活動に参加してみてはいかがでしょうか。
我が子も週に1回、筆者の職場でアートテーブルのボランティアをさせていただきました。
学校の必修科目としての活動(30時間)ではありましたが、入居者の方やスタッフの皆さんのおかげで、とても貴重な経験をさせてもらったと感じています。
必修時間に達したあとも、入居者とのふれあいが楽しくなり、そのままボランティアを続けたほど、心に残る良い体験だったようです。

