こんにちは、カナダの高齢者ケアホームで介護士(Resident Assistant)として働いているTofu【@eigodekaigo】です。
近年予想以上に高くなる猛暑が世界中で続き、筆者が住んでいるカナダのブリティッシュ コロンビア(BC)州の広範囲でも、高温警報が頻繁に発令されるようになりました。夏のブリティッシュ コロンビア州の気温は 30°C を超えることがあり、州の一部の地域では 30 度半ばから後半に達することもあります。高温は健康に悪影響を及ぼし、熱関連疾患を引き起こす可能性につながります。 熱中症( heatstroke )は、体が冷えるよりも早く熱が上昇することによって起こります。
熱関連疾患のリスクが高い人には、65 歳以上の人、幼児や子供、暑い環境で頻繁に仕事をしたりする人が含まれます。暑さによって命を落とされる人は、圧倒的に高齢者が多いです。
この記事では、高温警報が発令された場合、高齢者のために、周りはどのような行動をとればいいか、どのようなことを考慮すればいいか、まとめてみました。カナダ、ブリティッシュ コロンビア州にお住まい以外の人にも役立つ内容ですので、最後までお付き合いただければ嬉しいです。
高齢者ケアホームで働く筆者も、高温警報が発令された時は、普段以上に入居者の健康管理には気をつけています。高齢者に限らず、高温時は健康管理に気をつけてお過ごしください!
猛暑について
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の猛暑とは、昼夜問わず、気温が毎日暑くなり、季節基準を大幅に上回っている場合を言います。
熱に関するブリティッシュ・コロンビア(BC)州における定義は、2 つのカテゴリーに分類されています。
非常に熱く、公衆衛生に中程度のリスクがある場合の Heat Warning (高温警報) と、危険をおよぼすほどの暑さで、公衆衛生に非常に高いリスクがある場合のExtreme Heat Emergency (酷暑緊急事態) です。(2023年現在)
引用元: ブリティッシュ・コロンビア(BC)州 - 猛暑に備えて
高齢者が暑さに弱いのはなぜ?
高齢者が暑さに弱い原因のひとつとして、「体温を調整する」機能が衰えているからです。また、暑さを自覚しにくくなり、熱を逃す身体の反応や暑さ対策の行動も遅れがちになり、知らない間に深刻な健康状況になってしまうのです。
✅ トイレに行くのが億劫で、水分補給を拒否
✅ 電気がもったいないと、扇風機やエアコンを消してしまう
✅ 暑さを感じず、セーターなどを着こんでしまう
高温警報が発令されたり、いつもより暑いと感じたら?
1. 涼しい場所の確保
暑い場所から移動してもらい、屋外では日陰や涼しい場所、屋内ではエアコンや扇風機を使用した部屋で過ごしてもらいます。エアコンがない人は、公共の場所や市の建物で涼むことをおすすめします。
お住まい近くのクーリングセンターの利用も可能です。ブリティッシュコロンビア州は、地域社会にクーリングセンターを開設するなどの暑さ対策計画を実施しています。
お出かけになる前に、必ずお住いの市役所ホームページで、最新のクーリングセンター情報を確認して下さいね!
クーリングセンター
- 図書館
- コミュニティセンター
- ショッピングモール
- 隣組(101-42 West 8th Avenue, Vancouver, BC)
2. 十分な水分摂取
高齢者は脱水症状になりやすいため、水分補給が重要です。こまめに水や水分補給飲料を提供してください。水だけだと飲みにくい人は、レモンやミントの葉、キュウリなどで味をつけるもおすすめです。
水を飲みたがらない人で、アイスキャンディーのような氷菓だったら口に含んでくれる人もいます。その人のケアプランと健康状態に応じて、入居者には対応しています。
3. 適した服装
高齢者は、暑さ調整機能が低下しています。もし、セーターなど冬物を着込んでいたら、丁寧にアプローチして、なるべく通気性のよい、薄手の衣類を一緒に選んで、着替えを手伝ってあげてください。屋外では、帽子や日傘で直射日光を避けるようにしましょう!
濡れたタオルを首まわりに当ててあげたり、温度調整は大切です!
4. 室温調整
高齢者の部屋を適温にすることも大変重要です。エアコン、扇風機、ドアや窓の開閉などで、適切な温度と喚起を保ち、暑さ対策をします。カーテンやブランドも工夫して、なるべく外の熱を遮断しましょう!外気温が室内温度より高い時は、窓を閉めます。
節電と、すぐにエアコンや扇風機の電源を切ってしまう入居者もいるので、普段より多く部屋の訪問、安全確認が必要になります。
5. 定期的な休憩
長時間活動することは避け、いつもより休憩は取ってもらうようにします。暑さは、普段以上に体力を消耗させます。
筆者のホームでは、Extreme Heat Emergency のレベルになると、入居者の安全を考慮して、全部のアクティビティが中止になります。
6. 健康チェックと周囲のサポート
高齢者の健康状態は、頻繁にチェックしましょう。家族や介護者、地域のサポートと情報を共有し、高齢者がすみやかな支援を受けられるように、普段から対策を準備しておくことが大切です。
熱中症(heatstroke)
熱中症は、命に関わる医療緊急疾患です。
熱中症の兆候が疑われる、または見られる方を見かけた場合、すぐに、 9-1-1 またはその他の救急医療サービスに電話してください。
看護師など専門家に症状の相談は、8-1-1。日本語通訳サービスもあります。"Japanese Please" と言ってリクエストしましょう!
まとめ
高齢者は、暑さによって体調を悪化させてしまう危険性が非常に高いです。家族、介護士をはじめ周囲の人々が、暑さ対策の環境を整え、常日頃の水分補給など、暑さ対策以外でも大事な生活習慣を身につけてもらいましょう。
万が一、熱中症や体調不良が見られた場合は、すみやかに医療機関に連絡をしてください。